オトナな初恋

真相
















エレベーターのボタンを押して1階へ降りる。一人の女の人がマンションの中へ入ってくる。


泣いてマンションを出る私を不思議そうに見る。


すれ違う瞬間、ふわっと香水の香り。


振り返りその女の人を確認する。夕方見た人と同じ服、拓海さんからしたのと、…同じ香り…





「ふふっ危なく鉢合わせする所だった…」


拓海さんもドジな所あるんだ。家じゃなくて、他の場所行ってたら、ばれないで済んだのにね。




突然鳴り出す携帯にビクっとする。
ディスプレイには拓海さんの名前。


携帯繋がらないんじゃなかったの?


電源を落として、鞄に放り込んだ。
















どれくらい歩いてたんだろう。

現実を受けとめたのか、私はもう泣いていなかった。









『亜希ちゃんッ!!』




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