オトナな初恋
『お前…顔真っ赤だぞ。』

「は、早坂主任こそ…」


『うるせーよ。』


言葉とは裏腹に優しく抱きしめられた。


少し顔をあげると、あの、優しい目で私を見ている。

「い、一体いつから?」


『〜普通聞くか?』


だって気になる。


『いつか聞かせてやるよ…』



そういって顔が近づいてきた。


夢みたい。
早坂主任とキスだなんて。


初めてのキス…。



って!!!キス???



私、さっき吐いたばかりの、この口で!?




無理!!!!




唇が重なろうとしたその瞬間、後ろへと後ずさっていた。




『なんだよ。』

眉間にシワよってる。
怒って…ますよね…?



「あのッさっきトイレで…吐いたばかりで…」


『そんな事気にしなくても…』


「気にしますッ!!だって初めてのキスが吐いた後だなんて…」



『は?…初めて?』


あぅ。
また、言わなくて言い事を言ってしまった…


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