チョコ色の放課後

心が満たされるってこういうことなんだと、俺は知ってしまった。

ずっとずっと寂しかった俺を救ってくれた人。

もう、恋をあきらめていた俺に、愛する幸せを教えてくれた人。



誰かの為に、一生懸命になり、誰かを守る為に頑張れる自分を発見した。


今まで、空があんなにも青いことを知らなかった。

雲の形がどんどん変わっていくことも、

月が毎晩違う顔をすることも・・・全部、直が教えてくれた。



自分を大事にするようになった。


俺は、タバコをやめた。

俺は、自分で料理をするようになった。

俺は、年下の直を一人ぼっちにさせないように、健康に気をつけて長生きをしようと思った。


もう、俺だけの体じゃない。

俺は、直の為に自分自身を大事にするようになり、自分を好きになった。


直が愛してくれた俺を、俺も愛す。



間違っていたなんて思わない。

もしも、これから先、直がもう俺の元に戻ってこなくても、

毎晩泣いて過ごすことになっても・・・

後悔はしない。



俺は、他の誰も愛すことはないだろう。


最初で最後の、透明な愛を・・・俺は心の中でしっかりと包み込みながら生きていく。


例え、直にもう触れることがなくても、俺は直を愛したことを誇りに思う。


ずっとこの気持ちは変わらないから・・・




直は、俺に愛する幸せと共に、愛する苦しさも教えてくれた。


愛する人からの『さよなら』は、俺の心に突き刺さったまま、抜けることはない。




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