チョコ色の放課後
本当にこの1年いろんなことがあった。
別れたという事実を受け入れることができなかった。
俺は、直の言ってくれた言葉や、俺に残してくれたものを大事に過ごした。
直に出逢った事を何かの形に残したいと思って止めたタバコ。
俺は辛くても一度もタバコに手を出さなかった。
直は、コーヒーに必ず少しミルクを入れていた。
いつの間にか俺も、ミルクを入れるようになっていた。
直は、お風呂から上がると毎日水をコップ一杯飲んでいたっけ。
あれは、直の家族みんなの習慣だった。
俺はいつしか、あいつの家族の一員になっていた。