切ない恋物語
いつの間にか、夕方になっていた。
「最後に観覧車乗ろう」



四人で観覧車に乗ることになった。
「見て見て、すごく綺麗だよ」
夢果に言われ、窓の外を見た。夜景がとても綺麗だった。




でも、俺には夜景よりも夢果の方が輝いて見えた。





「今日はすごく楽しかった」
沙姫は言った。
「遊園地なんて、何年ぶりだろって感じだったし。でも、楽しかった」
慶斗は言った。
「俺も楽しかった」
「私も」
四人で笑い合った。すると、夢果が突然カメラを出してきた。
「写真撮ろうよ」
夢果が言った。
「いいな。撮ろうぜ。俺がシャッター押すよ」
夢果は慶斗にカメラを渡した。
「行くぜ」





写真を撮った。四人とも笑顔が輝いていた。




これからもずっと友達





観覧車から降り、遊園地を後にした。




帰り道。



「ちょっと疲れた」
俺ははしゃぎすぎて疲れていた。
「大丈夫?」
夢果が俺の顔をのぞき込む。




顔が近い…




「大丈夫、大丈夫」
俺は言った。顔が真っ赤になっていた。慶斗は笑っている。そんな慶斗を見て、沙姫は微笑んでいる。
「永遠、顔赤いぜ」
慶斗がからかってくる。





覚えとけよ。





「ねぇ、坂城くん。慶斗って呼んでもいい?」
突然、夢果が言った。
「いいぜ。俺も夢果って呼んでいいか?」
「うん」
「あっ、沙姫ちゃんも慶斗でいいよ。友達なんだし。俺も沙姫って呼ぶから」
慶斗は言った。
「うん」
沙姫は少し顔が赤くなっていた。
「俺も沙姫って呼んでいい?」
俺は聞いた。
「うん。私も永遠って呼んでいいかな?」
沙姫は言った。
「いいよ」





今日、一日で俺たち四人の絆は深まった。





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