飼わせてあげるよ【BL】


「で、次は?」

次を、望まれても。

本当に困る。
いつもと逆なんて。


「俺がしてる事じゃなくてもさ、
 俺にして欲しい事でもいいんだよ?」

困り果ててるのが伝わったのか、
彼は優しげに俺を諭してくる。


「……して、欲しい事……」

なんだろう。


「いつもねだってくる事があるだろ?」

いつも俺がねだる事……何だっただろうか



そもそも俺には彼――敦紀(あつのり)に
何事かをせがんだ記憶があまりない。

いつも彼が好き放題にするし、
俺のしたい事がその中にも時々含まれる。

だからわざわざ求める事が無い気がする。



「……ほら、ベッドの上でさ」

痺れを切らしたのか、
しかしやっぱり笑いながら、彼は言う。

自らの首輪の金具を引きながら……



あ、なんか思い当たる節が。



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