管理人C
私が泣くと、人は笑います。顔に穴があき、
風がひゅうひゅうと不気味な音を
立てても尚笑い続けます。


そのような悲しいことは、あってはなりません。
人にはそれぞれ、適度な空間が必要なのです。


ですが、人はそれぞれ欲張って空間の奪い合いが起こります。
人は、人の空間が自分のほかに存在することを、
許すことも想像することすら嫌悪するのです。



私や人は武器を持って、お互い傷付け合います。

やがて私は、
私ではなくなり、
人も絵空事で浮かび上がるモノに姿を変えます。


絵空事の人物は、それは醜悪な姿でして、見るものを恐怖で硬直させます。
人はその姿を面白がって、駅の売店でそのことについて面白おかしく書き綴った
雑誌を売り、生計を立てるのです。
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