藍色の砂



──なんで…泣いてんの?



泣きたいのはボクなのに…。
キミの声も笑顔も涙も
全部しまい込んだのに…。



ただひたすら泣いているキミに
触れたい想いが押し寄せる。



静かな溜め息の後。



──ボクはどうしたらいいの?



──逢いたい…コウくんに逢いたいよ
  ……。








3度目のキミの家。
扉を開ければ何ひとつ
邪魔する壁などない。
理性なんて
とっくに崩壊してる。



長い髪を掻き分けて
頬に触れれば
ボクの名を呼ぶ前に
唇を塞ぐ。



壁側にキミを付けて
息も出来ないほど
いくつものキスを
降らせた後。










< 127 / 201 >

この作品をシェア

pagetop