藍色の砂



体育館に響き渡るメンバーの
かけ声と声援。
選手同士がぶつかりファールに
なることも。



真剣に何かに打ち込む姿を
家族に見られるのは
なかなか恥ずかしいもんだな。
ましてや兄貴にだけは
見られたくない。



やっとのことでフリースローの
チャンスが巡ってきた。
一本目は副キャプテン。
二本目はボクが入れる。



キレイに弧を描いたボールは
ゴールにかすりもせず
ネットの中に落ちてった。
余裕な顔してる。



ボクだって
外すわけにはいかない。



得意のジャンプシュートで
決めてやる。
ボールを胸に、目を閉じて
集中する。



たくさんの声援が飛び交う中、
雑音を無視して
静かにジャンプした。



右手から離れたボールは
真っ直ぐゴールへ向かう。
シュパッ!とネットの中に
落ちたボール。



ガッツポーズのメンバーに
拳をぶつけて応える。
流れはボクたちに向いて
勝利に運ぶことが出来た。










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