未遂探偵Ｊ

「…痛い、痛い痛い。痛いからぁ！」

「じゃあ依頼に目を通してね。」

「…嫌だね。っていうか、もう目は通してるから。そっちのやつは。…え～っと確か…『行方不明の猫捜し』と『五百円を落とした』ってのと『奥さんの浮気調査』と『ラーメン４つと餃子２枚』…」

「…す、すごい。いつの間にチェックしていたの？？」

「フッ、まぁな。っていうか、ウチは猫捜しや五百円なんかで動く程なめられてんのかよ！浮気調査は、まだましだけど…なによりここはラーメン屋じゃないっつーの！！」

「ナイスツッコミ。」

「…こんなんじゃ、ヤル気出やしないぜ…ハァ…」

ジョー探偵事務所には憂鬱な空気が流れていた。まるで昼下がりの人妻のように…