未遂探偵Ｊ
～挑発～
「…へっ、へっ、へっくしょんっ！！」

その頃ジョーは大きなくしゃみをしていた。

「うぅ…風邪引いちゃったのかなぁ…確か冴子のヤツが『今年の風邪はしつこいよ！』って言ってたような…まぁ、毎年言ってるけど…」

ジョーはぶつくさと独り言を言いながら仕事場の探偵事務所へと向かっていた。

「…ふぅ…やっと着いた。地味に遠いんだよなぁ、ココ…」

ジョーはドアの前に立ちインターホンを連打した。

「…ガチャリ。」

ドアがゆっくり開く。

「おっはよー、冴子ちゅわ……ん？？」

「コラーーーッ！」

ジョーの助手の冴子は大きな声で叫んだ。

それに対してジョーは…

「…い…いやぁ、冴子さん…ご機嫌いかが？…アハ…アハハ…」

笑って誤魔化すしかないといったカンジだ。そんなジョーを見つめながら冴子は…

「…ご…ご機嫌いかがじゃないでしょー！！」

…と、怒りが収まりきらないでいた。

「…ったく悪かったよオレが…もう勘弁してくれって…」

そう言いながら椅子に腰を掛けてジョーは平謝り。

冴子は壁に貼ってある棒グラフの表を指差した。その表には『ジョーの遅刻回数表』と書いてある。表を見る限り今年に入って２０回は遅刻をしているようだ…。

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