遊び人な彼に恋しました。


「平田……俺……」



「イヤです。」



「……え」



「今、春先輩、あたしと別れようとしたでしょ?」



「は……?そんなこと……」



そんなこと……思った。




俺は……今、何を言おうとしたんだ……?



自分の言いそうになったことに、手で口を塞いだ




「あたし、別れませんから。」



「っ……」



「だって春先輩、今悩んでるでしょ?」



「え……」



「そんな状態なら、あたしフラレたくないですから。」



「平田……」



「さっ、帰りましょう。もう暗くなっちゃいますよ」


そう言ってニッコリ笑った平田に、俺は何も言えなかった……







なぁ、さくら……



俺たち、何を間違ったんだろう……?



“友達”じゃなかったら、こんなに苦しくなかったのかな……?




俺バカだから、わかんねぇよ。




さくら……




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