遊び人な彼に恋しました。


「春を一途に思うことも、春しか好きになれなかった自分自身にも、疲れちゃったの……」



「っ……」



「ねぇ、恋愛って始まりはあんなに明確なのに、終わりはなんでこんなにもはっきりしないんだろうね?」



好きになったのは春。



“春”と“桜”が出会い、惹かれた



あたしはずっと“春”を待ち続けた“桜”



でも“春”は決して“桜”を待ってたわけじゃなかった。




「ねぇ、さくら。あたしはね、さくらが決めたことには何も言うつもりはないよ。」



「……ん。」



優しい瑞希。


きっと瑞希ならそう言うと思ってた。



「でもね、さくら。始まっちゃった恋は、ツラいかもしれないけど……。それでも“恋愛”をするってことはみんな“恋愛”が幸せだからなんじゃないのかな?」



「っ……」



「でも、さくらはよく頑張った。」



そう言って、ポンポンと頭を撫でてくれた。


頑張ったよね……あたし。



頑張りきったよね……あたし。



だから、もう。



頑張れないよ……



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