遊び人な彼に恋しました。


楢橋くんを気にしつつも、ゆっくり起き上がった


「そうだよな。関係ないよな」


「………」



早くここから出たい。


早くここから逃げたい。



早く……


――チュッ


……えっ


不意に耳に届いたリップ音。


な……に?


密かに唇に感じた温かく柔らかいモノ……



「……っ」


あ、たし……今……



「これで関係なくはないよな。」


そんな声が聞こえた後、ドアの閉まる音が聞こえた



あたし……キスした……?



唇に触れる手が、小刻みに震える……


昔と変わらない温かさが、あたしと楢橋くんがキスしたことを物語っていた。



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