遊び人な彼に恋しました。

春とさくら-春Side-




『だってあたし、簡単に春に恋しちゃったんだもん』


『あたしには春の次なんてないの』



そんな嬉しい言葉が生徒会室から聞こえてきた。


さくらが俺を好きで、ちゃんと楢橋と話してくれたのは分かる。


ちゃんと楢橋に、さくらの決意を伝えてくれたことも。


そして、楢橋との思いをちゃんと打ち切れたのも……


ただ……


たださ……


――グイッ


「うわっ!」


ボケーとしてるさくらを、背中から抱きしめるように引っ張った。


「いつまで見つめてんだよ」


生徒会室から出ていった楢橋の背中を、ずっと見つめていたさくら。


それはもう、楢橋しか見えてないかのように……


聞き間違いか……?


さっきまで、俺のことを好きだと言っていたさくらは……?



「なっ!見つめてないでしょ!?」


「見つめてない!?あれのどこが!?」



うっとりしちゃってさ。


楢橋の方が良かったとか思ってんじゃねぇ?


……って、なんか自分で言っときながらショック。


< 328 / 339 >

この作品をシェア

pagetop