恋、奏でます

その日の下校中―…

「疲れた……けど……」

「楽しかったねっ!!」
あづが満面の笑みで目を輝かして言う。

私も満面の笑みで言った。
「うんっ…楽しかった!
私、吹奏入ろうと思う!」

…きっと……堂本も入るから…

「あづも!!」
あづはぎゅっと私の手をとった。


早く、明日になりたい。
早く、サックスが吹きたい。

早く―…
堂本に会いたい―……。

こんなにも明日が楽しみになる日がくるなんて…
思ってもみなかった。

「頑張るぞおぉ――!!」

私は大きく手を挙げてそう言った。

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