機械仕掛けの冒険者たち
僕はまたおかわりをした。僕らは形而上的に酒に酔っているというのだろうか?このシーバスリーガルも神様が微調整をしているのだろうか?
僕は何だかこのわざとらしい世界に嫌気が差してきた。しかし僕はこのわざとらしい世界でわざとらしいシーバスリーガルを注文せざるを得ないのだ。

僕は・また・シーバスリーガルを・飲むのだ。


神様はすっかりオムレツを食べ終えている。付け添えのパセリさえお皿には残されてはいなかった。

カウンターに置かれたキャンドル・ライトが店内をぼんやりと包み、店のマスターは欠伸をしながらいつまでも同じブランデー・グラスを磨き続けている。BGMはもう流されてはいなかった。

手持ち無沙汰の神様は、壁に貼られたピアノ・トリオのポスターを眺めている。あるいは神様とポスターとの間にある『何か』を見つめているようにも見える。しかしそこには無機質で匿名的な空虚だけしか存在しなかった。僕は、「神様はピアノ・ジャズが好きなんですか?」と聞くと、「いや、特には」と言った。

僕はもう考えるのを止めることにした。その方がいいように思えた。

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