男装少女-兄の代わりになった双子の妹の物語-


色々話していくうちに、落ち着いてきたのか再びうとうとしてきた。

会話が途切れ、そのまま瞳を綴じた。























「陽、」

誰かが自分を揺すっている。

「ん...、」

「起きろ、遅刻するぞ。」

「...!」

ばっと目を開ければ目の前には柚希の顔があった。

困ったような表情をしている彼を見て、自分は相当寝ていたことに気づく。


「ご、ごめんっ!おはよう柚希!」

「あ、ああ。おばさんに言われて、先に朝食を食べた。」

「え、あ、うん!」

「先に一階にいるぞ。一緒に学校に行こう。」

「え?柚希の学校って?」

「お前が通う高校の目の前にある大学だ。知ってるだろう?」

じゃあ、先に下に行っている。

そう言い残してバタン、と部屋から出ていく柚希を見てことりははっとする。


自分はことりとして、自分が通う高校に行くつもりだったが

今日はそうすることは無理そうだ。

ことりは悩んだあげく、陽の学生服を手に取った。


(今日だけ、お兄ちゃんの学校に行こう...)

そうでもしなければ柚希に説明がつかない。

仕事が入ったと言っても、木村と住んでるんだ。

いずれ、バレる。

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