記憶の中で…
結局、残りの種目はナツキは借り物競争に、私は障害物競争に決まった。
放課後になるとリレーの練習で遅くなり、ナツキは家まで送ってくれるようになった。
その間、話す事と言えばリレーの事ばかり。
一つの事に夢中になってしまうのは、文化祭の時と一緒だ。
「ナツキって夢中になると、とことん熱くなるよね。」
「あ?…うん、そうだな。一度やりだしたらできる事はしないと気が済まないタイプ。」
「でも気を付けた方がいいよ。皆同じ気持ちの人ばっかりじゃないから。」
「…誰か…何か言ってたか?」
「ううん。何も聞いてない。でも負担に思う人もいるかなーって思って。」
「…ユキにとっては負担?」
「違うよ。一所懸命になってるナツキを見るのは好き。一緒にいて楽しいし、自分一人じゃできない事もナツキが引っ張ってくれるから、できる事が増えた気がするもん。」
ナツキが飛びっきりの嬉しそうな顔をした。