ζτογу-1nd-

再び






―――…〔patio〕最後の日。





陽菜は
見慣れた久し振りの道を
ゆっくりと歩いて
〔patio〕へ向かう。





ドキドキが止まらない…





1番始めに
連れて来て貰った時と同じ



緊張感―――…





《―――…あの時は

こんな風になるなんて
思ってもいなかった…。
ただ…
遊ぶ為に来ただけなのに………》





そんな事を思い出しながら
店の扉の前に着き





ヒナ
『………ふぅ…』





気持ちを落ち着かせる為に
大きく深呼吸をした後…





―――…キィィ…





店のドアを静かに開けて
中へ入ると

眩しさで
目を細めてしまいそうな程の
キラキラとした
ミラーボールが天井で回り
ガンガンに響き渡る音楽…





《何も変わって無い…

―――…あの時のままだ…。》







懐かしさを感じながら
辺りをキョロキョロと見渡してみる。











「…陽菜チャン?
陽菜チャンじゃん!
久し振りだねぇ〜♪」





ザワザワとした人混みの中から
声がして陽菜に近付いて来た。





ヒナ
『………?!…』





アユム
「嫌だ!忘れちゃった?
歩だよ♪」





ヒナ
『―――…歩サン?!…
キャ〜!久し振りだぁ〜♪』





2人は抱き付きながら
久し振りの再会を喜んだ。





アユム
「陽菜チャン
気付かないんだもん…。
忘れられちゃったのかと
思った…。」





ヒナ
『違うよ〜!
雰囲気が変わったから…
ちょっとね…。』





アユム
「だよね♪
でもまぁ取り合えず今は
社会人だからねぇ〜♪」






笑いながら話す歩サンは
〔patio〕に居た時の面影は無く
落ち着いた感じで
凄く大人の女性に見えた歩サンと
少し会話をしてから別れ
陽菜は店の奥へと進む…



< 219 / 364 >

この作品をシェア

pagetop