天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ
テントの天井を見つめつつ、芽々は物思いに耽る。

…隣のテントでは、宜虎が眠っている。

登山での荷物運搬に、食料調達に、遭遇してしまった熊の退散に。

今日は彼は大活躍だった。

芽々よりもずっと小さな『男の子』といっても違和感のない彼が、思っていたよりもずっと頼りになる姿を見せてくれた。

(意外よねぇ…宜虎君があそこまで頼もしい存在だったなんて)

密かに寝袋の中でほくそ笑む芽々。

彼女の『悪い虫』…いや『プログラム』が騒ぎつつあった。

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