天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ
更衣室から出てきたきょうこ。

元気溌剌な彼女らしい、爽やかな色気のある黄色のビキニ姿。

いや、それはいいのだ。

だが、いつも陽達が見慣れたきょうこの胸は、彼らの想像を超えていた。

何というか…でかい。

そう、でかいのだ。

果物に例えるならピーチ。

いや、メロン?

いやいや、スイカ?

いやいやいやいや…。

「なんつーか…」

陽が見惚れる。

いや釘付けになる。

というか奇怪なものを見るような目を向ける。

ぶっちゃけドン引きだ。

最早果物で例えるには困難なほどに、きょうこの胸は巨大化していた。

言うなればビキニの内側に、デパートの屋上に浮かんでいるアドバルーンを仕込んだかのような。

…歴史のある名神家の跡取り娘、きょうこ。

しかし悲しいかな、修行不足の彼女は高い素質を持っていながら自身はまだまだ未熟で、大概一人では上手くコントロールし切れない。

結果このようなとてつもなくバランスの悪い、どこからツッコんでいいか分からない残念な胸に発展してしまうのだ。

(これ…)

ダラダラと冷や汗をかきながら。

きょうこは心の中でセルフツッコミを入れる。

(巨乳じゃねーよ…魔乳だよっっっっっっ!!!!)

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