天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ
どのくらい眠っていたのだろうか。

「ん…」

陽は日差しの眩しさで目を覚ます。

暑い。

(おかしいな…ビーチパラソルの下で寝てたのに…)

強い日差しに目を細めつつ、ゆっくりと瞼を開いて起き上がろうとして。

「…あれ」

起き上がれない。

陽はてんこもりの砂で首から下を埋められていた。

「お?あ?なっ!?」

「ふっふっふっ、やっと目が覚めたかね、本郷 猛、いや仮面ラ○ダー!」

訳の分からない事を言いながら陽を見下ろしているのは、背筋の寒くなるような笑みを浮かべているきょうこだった。

その手にはカニ。

シャキィイィインッ!とか効果音の聞こえてきそうなデカイ鋏を持っているカニだった。

そのカニを、動けない陽の顔に近づけるきょうこ。

「なっ、ちょっ!やめろぉっ!シ○ッカー!」

この窮地にノリのいいツッコミで、陽はジタバタと抵抗した。

無論逃げられないが。

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