《完》蜜恋☆LOVERS 〜幼なじみは独裁者!?〜
「陸、待って――…!」



「来るんじゃねぇ!

さっさと自分の部屋に戻れっ!!」



「―――――!」



首だけで振り返って
あたしを睨んだ瞳は、
信じられないくらい――
怖かった。



あたしは反射的に後退りし、
少し後には陸に背中を向け
走り出してた。



(陸が……陸があんな目で
あたしを見るなんて……!)



涙が止まらない。



嗚咽のせいで呼吸も苦しく
なって、途中あたしは足を
止めてしまう。



その時――未練がましい
ってわかってるけど、もう
一度だけ陸の去った方向を
チラッとうかがった。


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