御曹司の溺愛エスコート
荷造りが完了した。
蒼真がスーツケースを運ぼうとすると、桜が顔を顰めながら首を振る。


「ダメ……自分で持ちます」

「なぜ?」

「大事な手だから」


ポツリ言う桜に蒼真は微笑んだ。


「俺を軟弱者だと思ってるのか?」

「そんな事思っていないけど……蒼真兄さまの手はみんなの命を救う大事な手だから」

「桜、そんな事をお前が心配しなくていいんだ。この手でテニスもジムも行く」


必要以上に心配している桜を笑う。


蒼真は有無を言わさずスーツケースを持ち上げるとアパートの階段を下りた。


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