御曹司の溺愛エスコート

ふたりの生活

旅客機は午後4時近くに成田国際空港へ到着した。
到着ロビーに真琴が待っていた。


ふたりが出てくると、真琴がにこやかに出迎えた。


「お帰りなさいませ」


蒼真に手を握られて半歩ほど遅く歩いて来た桜に真琴は微笑む。


「無事でいらしてよかったです。桜様」

「ありがとうございます。真琴さん」


真琴に視線を向けられて桜は蒼真に握られた手を外そうとした。
だがぎゅっと握られ離すことができない。

何度も試みていると、蒼真が桜を軽くにらむ。
桜は小さくため息を吐いた。


そんなふたりを見て真琴は嬉しかった。


桜様はこれから幸せにならなければならない人。
それが出来るのは蒼真様しか考えられない。



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