御曹司の溺愛エスコート
翌朝、桜が眠っているうちに蒼真は朝食を買いに出た。
ここのマンションの1階は全てテナントが入っており、買い物には困らなさそうだ。


焼きたてのパンを買い、部屋に戻っても桜はぐっすり眠っていた。


10時に真琴が来る事になっている。
今は9時前。


キッチンに入りトレーの上に皿を置き、クロワッサンのサンドウィッチとベーグルのサンド、その他買ってきたものを並べた。


コーヒー好きの蒼真の為に真琴はパーコレータをあらかじめ用意していた。


桜にオレンジジュースを用意する。
トレーを持ってベッドルームへ行くと桜はベッドの上に起き上がりぼんやりしていた。


「桜、おはよう」

「おはようございます……蒼真兄さま……」


昨日の出来事で、桜は蒼真の顔が見られない。


「食事にしよう。10時に真琴が来る」


俯きがちに挨拶をする桜の膝の上にトレーを置く。


トレーを見た瞬間、桜は申し訳なさそうな顔をした。


蒼真兄さまにこんな用意までさせてしまった……。
お屋敷にいれば何でもやってもらえるのに。


「どうした? 食べなさい。お腹が空いているだろう」

「……いただきます」


蒼真の問いには答えず、クロワッサンのサンドウィッチを手にして食べ始めた。


蒼真は桜にあの頃のように屈託なく笑って欲しかった。
今はまだそれは叶いそうも無いな……。



< 139 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop