御曹司の溺愛エスコート
「さあ、座って」


桜は言われるままに蒼真の目の前の丸イスに座った。


「ブラウスのボタンを外して」


蒼真は聴診器を耳にあてて桜の方を向いた。


桜は動けなかった。
蒼真を医者として見れない。
こんなシチュエーションでブラウスのボタンを外すのは恥ずかしい。


「桜、自分で外さないのなら私が外すが?」

「蒼真兄さま……」


桜はブラウスのボタンを数個外した。


ブラウスを肌蹴させなくとも聴診器で音を聞くことは出来るのだが、桜の羞恥心を煽りたかったのだ。


蒼真は桜の胸に聴診器をあてた。


「心臓の音がうるさいよ」

「だって!」


蒼真兄さまのせいなのに。





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