御曹司の溺愛エスコート
桜は2番のプレートがかかってある部屋をノックする。


「どうぞ」


中から女性の声が聞こえ、桜はドアを開けて中へ入った。


「よろしくお願いします」


ペコッと頭を下げて顔を上げると絶句した。


「蒼真兄さま!?」


どうしてここに居るの?


「丁寧な患者さんだね? それに可愛い」


白衣を着て聴診器を首からかけている姿に桜の心臓はドキドキしてきた。


「ふざけないで下さい。なぜ蒼真兄さまが?」


すぐ側に看護師がいるのだが、甘い言葉を言う蒼真に顔をしかめる。


「この部屋の医師は女ったらしでね。大事な桜を任せたくなくて来たんだ」

「だってその人は先生なのに……」


その部屋にいた看護師は驚いていた。


若き天才医師がこの少女に笑顔で話をしている。
しかもここの先生の許可を取り、わざわざ忙しい身で彼女の検査をしようとしているのは驚きの何ものでもない。


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