御曹司の溺愛エスコート
クリスマスイブまで蒼真の忙しさは続いた。
美容室もこの時期、客が増えて忙しかった。


オーナーの和樹は以前青山の有名美容室で働いており、そこのカリスマ美容師だったらしい。
敦からの情報だ。
そこの店をやめた後も和樹の顧客が付いて来るのだと言う。


まさか彼女も和樹の顧客だとは桜は夢にも思わなかった。


彼女とは……。


クリスマスイブの日、蒼真が仕事に出かけると桜も美容室へ急いだ。
その日も予約で一杯だった。
その忙しさに昼食もなかなか取れない。
そして夕方、思いもしない女性が店に現れた。


「いらっしゃいませ」


受付にいた敦が出迎える。


「和樹さんはいるかしら?」


つんと澄ました表情の女性に、敦はお高くとまった女だなと心の中で思う。


「お待ち下さい」


敦は休憩を取っていた和樹を呼びに行った。



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