御曹司の溺愛エスコート
「蒼真、私はどこに住んでいるの?」

「私と一緒にマンションに住んでいる」

「まだ結婚もしていないのに?」


この男性と一緒に暮らしていたなんて想像がつかない。


「私の両親は?」


自分の事を吸収しようとどんどん質問を投げかけてくる。


「君が小さい頃に亡くなったんだ」

「亡くなった……」


両親の顔が思い出せずに桜の表情が沈む。


「この間も1人で墓参りに行ってしまって心配をしたんだ」

「そう……」


頭が痛む。
指をこめかみに持っていく桜に蒼真は肩に触れた。


「桜、頭が痛むんだろう? 横になりなさい」


蒼真に言われたとおりに横になる。


「今は何も考えないほうがいい」




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