御曹司の溺愛エスコート
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相変わらず一日に何度も蒼真の携帯電話に琴美と母から電話がかかってくる。
逃げてもいられないことは分っている。


年明けのロスの出張に桜を連れて行けるか……。
それまでに回復していればいいのだが今のままでは無理だ。


病室にノックの音が響いた。


「はい?」

「真琴です」


大きな荷物を持った真琴が病室に入って来た。


「母から預かってきました」


テーブルの上に風呂敷包みを置く。
中身はおせち料理の入った重箱だ。


今日はお正月。


桜の入院を知った芳乃はふたりの為におせち料理を作り真琴に持たせたのだ。



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