御曹司の溺愛エスコート
「蒼真、買ってきた物を冷蔵庫にいれるね」


そう言ってキッチンがあると思われるドアへ向った。


あれ……?
何でこっちへ来たのかな?


足が無意識に動いていた事に戸惑う。
立ち止まってしまった桜に蒼真が背後に立った。


「どうしたんだ?」

「蒼真……こっちのドアはキッチン?」

「あぁ。そうだよ」

「なんで知っているんだろう……」

「ここへ来たのが初めてじゃないからだ。記憶を失う前に一度来たことがある」


今まで数え切れないくらい桜は来ている。
自然と足が向うのも無理はないだろう。


「そっか」


頷くと桜は艶やかな木材のドアを開けた。


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