御曹司の溺愛エスコート
南条は私室に入ると携帯電話を出し、娘の真琴に電話をかけた。
蒼真と一緒に学会に出席していた真琴はポケットの携帯電話が振動したのを感じた。
休憩時間だが蒼真は医師たちに囲まれて雑談をしている。


真琴は携帯電話を取り出した。


父さん?


父からの電話は珍しい。


真琴は部屋を出ると切れてしまった電話をかけた。


『真琴か』

「父さん、どうしたの?」

『桜様がお屋敷にいらしている。琴美様が連れて来たんだ』

「なんですって!? いったいどうして!」


父に桜を頼み、電話を切ると真琴は蒼真の元へ戻った。


「蒼真様。失礼します」


まだ医師たちと談話中の蒼真に声をかけた。



< 315 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop