御曹司の溺愛エスコート
「まったく……」

「ごめんなさい……」


顔を上げて自分に謝る桜は子供のようだ。
黙って出て行ったことにずっと怒りを覚えていたのに面と向かうと許してしまう自分がいた。


「心配かけすぎだ……」


桜の顎に手をかけると啄ばむ様なキスを落とす。


「蒼真兄さま、濡れてる。乾かさないと」


そう言う桜も蒼真に抱きしめられた時、濡れてしまった。


「下に車を置いて歩いてきたんだ。まさかこれほど雪が降っているとは思わなかった」


雪の装備をしていない蒼真の車は別荘の前までは来られなかったのだ。


「ここに来た時は降っていなかったの。あっという間に積もってしまって」


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