御曹司の溺愛エスコート
「蒼真兄さま! すごい! 銀世界になってるっ」


まだ眠っていた蒼真にベッドの上で叫んだ桜は15歳の頃のようだ。


「もう起きたのか……」


眠い目で時計を見て時間を確かめるとまだ6時にもなっていない。
分厚いカーテンが開かれてまぶしい太陽の光が蒼真に当たる。


「こんなにたくさんの雪、シカゴ以来だから」


ガウンを羽織った桜はベッドの上から出窓を覗き込んでいる。


「起きて散歩しよう?」

「……そうだな」


それも楽しいかもしれない。と蒼真は身体を起こした。


そして桜の唇にふんわりとキスを落とすと床に足を着けた。

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