御曹司の溺愛エスコート
「あ……」


バッグの一番下にあった物を取り出した。


蒼真兄さまへのクリスマスプレゼント……。
まだ渡していなかった。


クリスマスカラーの包装紙に包まれたブルーグレーの万年筆を思い出しまた涙が出てきた。


愛している。
いつでも私を優しく包み込んでくれた。
記憶を失った私に蒼真兄さまは……。


『桜。愛している。記憶が戻った時にも忘れないでいて欲しい。君が一番大切だと言う事を』


桜の脳裏に蒼真の言葉がよみがえった。
その言葉が不安定な桜の胸を包み込む。


シカゴに行けない!
私は蒼真兄さまが必要なのに!


桜は手の甲で涙を拭いて立ち上がった。





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