御曹司の溺愛エスコート
ベッドルームに戻ると桜は身体を起こしておかゆを口に運んでいた。
ほんの少しずつだが口にしている。


真琴が食べるように説得したのだろう。


しかしたっぷり残して桜は「ごちそうさま」と言った。


真琴は残った量を見てため息を吐いた。


「桜、これを飲みなさい」


蒼真が近づいて白い錠剤を一錠手のひらに落とされる。


解熱剤だ。


桜はこの薬が何なのかをまったく聞かずに水で飲み下した。
そして横になると目を瞑った。


「真琴、遅くまで悪かったな」

「いいえ。桜様と話をしてください」


そう言って真琴は帰っていった。


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