御曹司の溺愛エスコート
ふと目が覚めて目に入ってきた綺麗な顔に桜は固まった。


蒼真兄さま……。
なぜ蒼真兄さまは自分を抱きしめながら眠っているの?
そうだ……。
この部屋に連れて来られて……熱が出て……。


睫が長くどちらかと言うと女性っぽい綺麗な顔、だけど天才的な頭脳を持った男らしく完璧な男性。


シャツの下にある身体はきれいに筋肉がついている事は小さい頃から知っている。


手術となれば10時間以上集中力を保たなくてはならない蒼真はすごい人だ。


このままずっと一緒にいたい……。


そこでハッと我に返る。


今日は蒼真兄さまの……婚約披露パーティー……。


桜が乱暴にベッドから抜け出した。


「桜?」


抜け出して床に足を着けたところで蒼真の声がした。


「桜、どうした? 気分が悪いのか?」


蒼真には桜が急いでバスルームに行こうとしたように見えたようだ。


茶色の瞳と目が合って小さく首を振る。


「良かった」


安心した蒼真もベッドから抜け出した。



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