御曹司の溺愛エスコート
ベッドの足元を回り、桜の元へ蒼真が来た。
そして額に手を置こうとするが、桜はビクビクした猫のように1歩後ろに下がる。


「桜?」

「だ、大丈夫です」


桜は蒼真の脇を通り抜けようとした。
蒼真の横を通り過ぎた時、長い腕で桜は後ろから抱きしめられていた。


「そ、蒼真兄……さま……」

「逃げないでくれないか」


妙に色っぽい蒼真の声に心臓がトクッと高鳴った。


「朝食を食べてから話をしよう」


桜はうつむいていたが、蒼真にわかるようにコクッと頷いてバスルームに消えた。


蒼真がルームサービスを頼み終わった時、桜が白のブラウスと黒のスカートに着替えて現れた。
青ざめた顔は透けるように白く見える。
着ている服は安物なのだろうが、上品な顔立ちの桜が着るとブランド物の服に見えなくもなかった。


「まだ顔色が悪いな」

「もともとこうだから」


そっけない口調は3年前とはまるっきり違う。


落ち着かない気持ちを隠して桜はソファに腰掛けた。



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