御曹司の溺愛エスコート
会話からすると何か大変な事が起こったらしいと桜は思った。


「桜、緊急オペが入ったんだ。一緒に来てくれないか」

「……」


桜は本当は一緒に行き、時間が出来たらあの時の話をしたかった。


でも……。


「ここで待っていてもいい? やっぱり身体はだるいし……ここで待っていたい……」


桜はここに残る方を選択した。


「ではここで待っていてくれ」


立ち上がった蒼真は、桜に近づくと優しく髪に触れる。


「はい。蒼真兄さま、気をつけて……」


桜は微笑んだ。


今まで笑わなかったその微笑が何なのかを、蒼真は気にする余裕が無かった。


後で思えば、嫌がっても無理やりにでも連れて行くべきだったと蒼真は後悔する。



< 57 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop