先輩の喉が渇く=僕が走る



で、なにが最悪だったかというとですね、

話は春休みまでさかのぼる。


僕がまだ、この高校に入学する前のこと。


自転車でちょっと遠い本屋さんに向かっていたときだった。


近くにも本屋さんはあるんだけど
ちょっと遠いほうに行きたい気分だった。


橋を渡りきって、
あの信号、間に合うかな
なんて考えてた時に見つけたのだ。


ひどく可愛い女の子を。
(あと姉的な人も。)


たぶん4,5歳だと思う。

はとぽっぽの歌を歌ってた。


その子と不意に目があった。


もう手を振るしかないよね。


僕は笑顔で手を振って
そのままバランスを崩してこけた。




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