今カノの私と元カノの存在



時間も遅いせいか割引のシールが貼ってある。



「美味しそう」


「じゃあ、買って帰る?」


「うん」



店内でどれにしようか迷っていると、横で同じように悩むシュウさん。


その姿が少しおかしくて。



「え?何?」


「何でもない」



元カノの事がいつも頭にあって。


こうしたシュウさんの姿をちゃんと見てなかったかもしれない。


そして自分自身も。



常にその影におびえて。


嫌われたくなくて。


ずっと自分自身を押し殺して……



「これ。これにする」


「じゃあ俺も同じものにしようかな」


「決められなかったから?」


「違うよ」





< 170 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop