さよなら、ブラック




わたしは、前に進みたい。




だから。




あなたが差し出してくれたその手を、つかんでもいいですか。




わたしは夕日を見つめながら、ベランダの手すりをぎゅっと握った。




それに気づいた歩は、わたしを後ろからふわりと包んでくれた。




背中に歩の鼓動を感じる。




それはまるで、母親のお腹にいる胎児のような感覚だった。




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