さよなら、ブラック
「だけど……付きあっていくうちに、体を求められるようになった。わたしはまだそんな気にはなれなくて、ずっと拒み続けていたの。……だけど、拒み続けていたら……嫌われるんじゃないかって思って。わたし、自分に自信がなかったから……この人を失ったら、この先わたしのことを好きになってくれる男の人なんて、現れないんじゃないかって思って……。だから……本当は嫌だったけど、体を許してしまったの。だけど……」
そこまで話すと、また、あの日の記憶が押し寄せてきた。
手すりを握る手に力が入る。