さよなら、ブラック
そんな馬鹿なことを言ったばっかりに、歩は本当に風邪をしっかりもらってしまった。
「風邪 助けて」
と、まるで電報のようなメールが届いたので、今度はわたしが歩のアパートへ行くことになった。
男性の部屋へ上がるのは、もちろんあいつの部屋以来で、歩のアパートが近づくにつれて、体が固くなっていった。
わたしは看病に行くだけなのに。
しかも、それは歩の家なのに。
夕暮れの道を自転車で走りながら、体が固くなる自分が嫌になった。