さよなら、ブラック




歩の部屋のチャイムを鳴らすと、着ていてよけいに疲れるのではないかと思うような、目が覚めるような赤いパーカをはおって現れた。




「ありがとう」




そう言って、ごほごほと咳込む。




「いいからいいから。寝てて」




歩はこくりとうなずいて、背中を丸くしてベッドへ向かった。




彼の背中を見た時、広い背中いっぱいにでかでかと「HELP ME!」と書かれていたので、わたしは思わず吹き出してしまった。



< 73 / 203 >

この作品をシェア

pagetop