さよなら、ブラック
歩の部屋のチャイムを鳴らすと、着ていてよけいに疲れるのではないかと思うような、目が覚めるような赤いパーカをはおって現れた。
「ありがとう」
そう言って、ごほごほと咳込む。
「いいからいいから。寝てて」
歩はこくりとうなずいて、背中を丸くしてベッドへ向かった。
彼の背中を見た時、広い背中いっぱいにでかでかと「HELP ME!」と書かれていたので、わたしは思わず吹き出してしまった。