レモン色
1章:新学期
「3学期は次の学年の0学期です。2年生に向けてあと3ヶ月頑張りましょう」

私は、冬休みのあの日以来なんの進展も持たずに、3学期を迎えた。
森山先生は、前と変わらずに坦々と話を進めている。

「はい、じゃあ掃除」
森山先生のその声にみんな机を下げ始めた。
そんなとき目についたのは、12月のままのカレンダー。
私は急いで机を下げて、森山先生のいる教卓まで走った。

「先生っ!カレンダーめくって良い?」
「おー、ありがと」
「やったあ!」
私がめくっていると、後ろに森山先生が立った。
首だけ森山先生に向けると
「誰々の誕生日とか書くなよ!」
と笑って森山先生が言った。
< 1 / 19 >

この作品をシェア

pagetop