眠り続ける君へ

君に聞いてもらいたい

言っておきたいことがある


君のそばを離れたくない

そう思っても

そうはいかない現実もあるんだ


食事もしなければならないし

風呂にも入りたいし


でも、入院費を払うためには

働かなくてはならないんだ


前の仕事をやめてから

ずいぶん時間が経ったから


元々あまりなかった貯えが

少なくなってきたよ


こんな話はあまりしたくはないけれど

でも


このままでは君を守ることができない


だから 働くことにきめた


今までのことを

君への思いを書き綴ったノートを

置いていくから


もし

僕がいない時に目が覚めても

僕のことに気がついてくれるだろう


君は一人ぼっちではなかった

それを知ってくれるだろう

そう信じることにした


いやノートを見なくても

わかってくれていると信じたい

僕の言葉が君の心へ

届いていると信じたい



僕は君を信じることで

自分自身を信じることができる

もしかしたら


僕は弱虫で

君の強さにすがっているのかも知れない

自分が少し情けないなと思うよ
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