~color~



《家出たからね~!!》


《分かったよ!すぐ着くんだろ?》


《うん、すぐ!!》



あれからすぐに支度をして、いつもより30分以上も早く家を出ると、あたしは車に乗り込みパチ屋へと向かった。


その間にも鳴り止まない携帯は、お客さんからのもので


《今日、出勤だよね?早く伊織ちゃんに逢いたいな~!!》


なんてメールの返信に《うんっ♪待ってるね!!》なんて、ちゃっかりメールを返していく。


信号待ちで。常連のお客さん達に返信し終わると、それをポケットへとしまった。



あたしは自分からは営業しない。



だから、つばさくんに送ったメールも嘘なんかじゃない。



自分から営業をかけてまで無理やり来て貰うのは好きじゃない。


あたしを求めてくれるような営業をすること



そのスタイルを4年間続けているのだ。



だから同伴もアフターもしない。


外であたしを求めてくる男はあたしには必要ない。



そんな思いで仕事をしてきたはずなのに……




大好きなアーティストの音楽をガンガンにかけている車内から、窓を開けると自分を落ち着かせるためにタバコを一本加えた。







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